地震と建物_地盤強化

本日、熊本県を中心とした大地震が発生いたしました。
被害が明確に分かっていない状況ですが、建物評価を得意とする私から何か発信できることはないかと存じ、臨時で地震関連の内容を投稿いたします。

内容としては、社会人編入して学んだ建築学科の一部(防災関連)の科目にて、学んだ内容を当時のレポート添付資料を用いながらお伝えすることにいたしました。

今回は地震時に重要な要素の一部となる、基礎部についてです。
下記は、大学在籍時に書いたものです。

やや簡易に書いていますが、一軒家の断面を表しています。(△が屋根で、直下の外壁を縦線で表しています)
建物の基礎は土台となる箇所に当たるので、”支える”という観点で重要な部位となります。
その基礎ですが、一部は地盤に埋められています。また軟弱な地盤である場合は、地盤の強化を施します。
代表的な強化方法ですが、図に示したように締固め杭、改良土、基礎杭になります。

締固め杭


これは軟弱な地盤に対して、杭を複数入れることで地盤自体を固めることを指します。基礎杭と混同しがちですが、違います。締固め杭は、原則として建物の基礎と連結していません。あくまで地盤そのものを固めるものです。
私の住むエリアでは、戸建住宅の多くはまず締固め杭で地盤を強くしてから基礎工事に移っています。
この工法は、地震対策にもなっていると考えます。地震が起きると、地盤が隆起して液状化現象が起きる可能性があります。そうなると、基礎が脆くなり、上部の建物自体が傾く恐れが出てきてしまいます。
それに対して、締固め杭で地盤を固めると、液状化現象が起きにくくなると考えています。

改良土
表層改良と言われ、表土に特殊な固化剤を散布して、土を固めてしまう方法です。これは上記の締固め杭と違い、板のように表面を全て固めます。その結果、締固め杭と同様に地震による液状化対策には有効と考えます。
なお、表層改良はセメント系の化学添加剤を用いて固めるため、例えば建替えを想定した場合は、元の更地の状態に戻すのが難しくなる傾向にあります。その点は、上記の締固め杭とは異なる部分と存じます。
なお、固定資産税の評価で補足すると表層改良自体は家屋評価には含みません。

基礎杭


基礎に対して、直接連結させる杭のことです。当該杭は、地盤の奥深くまで挿し込むことになりますが、その長さは支持層までになるため、地域によって大きく異なります。10~20mほどが多いと考えられますが、私が固定資産税の評価で携わったなかでは、50mを超える長さの基礎杭がありました。また、固定資産税評価上でも長いことによる増点補正はされています。
基礎杭は支持層まで打ち込むのですが、メインの目的は建物上部の重さで傾かないための処置であり、基礎杭自体に地震対策の有効性は上記2つに比べると低いような印象は受けます。但し、基礎杭は”根”があると言って差し支えないと存じますので、例えば歯で考えると、根っこがあることで転倒したときに強い衝撃があっても、私たちの歯は抜けずに済むと連想できます。
原理としてはそれと同じで、基礎杭があることで、水平の強い外力(地震の横揺れ)が発生したときに、建物の倒壊を防ぐ役割は一定程度あると考えています。

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