収益還元法のポイント

収益還元法とは、主に収益性に着目して評価する手法です。適用時の流れとしては、以下のとおりとなります。

  1. 総収入の把握
  2. 総費用の把握
  3. 収入及び費用の将来予測
  4. 使用利回りの査定

実務を踏まえた補足

総収入及び総費用の把握

賃貸借形式の建物である場合、賃貸借契約書やレントロールに賃料及び共益費、運営委託管理契約書に維持管理費やPMフィー等は記載がされているため、それらの資料を入手できれば、現時点での収入や費用は把握することは可能です。

事業用の建物である場合は、売上及び売上原価やその他の費用を算出する必要があります。その場合は対象建物に起因する数値を抜き出す必要があるため、本支店や部門別等の会計から抽出する必要があります。

いずれにしても実務上の観点では、評価時点の数値は確定しているため、鑑定(評価者が独自に考えること)要素はあまり生じない箇所となります。

収入及び費用の将来予測

鑑定評価では、評価時点(価格時点と言います)の収入や費用を把握するだけでなく、将来の変動予測を考える必要があります。この部分は担当鑑定士によって判断が分かる部分になります。

具体的には一般的要因の変動(国内景気や物価変動等)、地域要因の将来予測や個別的要因(対象建物における経済的価値の推移、代替競争不動産との優劣変化等)を総合的に加味し、各項目の変動予測をします。

変動予測はDCF法(毎期の収入費用の変動をリスト化して、10年程度のスパンでの純収益と使用後の売却価格を査定する方法)にて、明確に反映させることとなります。

還元利回りの査定

鑑定評価は最終的に価格を求めます。そのため、純収益を利回りにて除す作業(還元)が必要となり、その際に適用する利回り(率)査定になります。

実務上は、実際の取引事例における利回りを基準に考えることが多いです。具体的には、対象建物(及びその敷地)と取引事例を比較して、対象建物(及びその敷地)が属する地域格差や建物、土地が持つ個別性を考慮して、適用する利回り(率)を算出します。

その際に、地域性や個別性をどれだけ把握できるかが重要となってきます。特に大規模や高層の建物であればある程、建物自体の価値割合が高くなってくるため、建物の個別性をより多く抽出できると適用できる利回り(率)の幅が広がります。

その結果、担当鑑定士が適切と考える評価額の幅(ストライクゾーン)に関しても広がることにも繋がります。

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