建物(土地との複合不動産を含む)の鑑定評価において個別的要因が重要である理由

鑑定評価における価格形成要因

鑑定評価では、価格形成要因に基づき評価額を算出いたします。当該要因は、一般的要因、地域要因、個別的要因に大別されます。

一般的要因 地域要因 個別的要因
一般経済社会において、不動産価格全般に影響を与える要因 地域ごとの特性及び地域内に属する不動産の価格形成に寄与する要因 対象不動産の価格形成に直接且つ個別的に影響を与える要因

建物の鑑定評価における各要因

建物を鑑定する場合、各要因は以下が考えられます。

一般的要因

各資材価格の動向(貿易関係の為替レート変動を含む)、建築工事に関わる工賃単価の動向、全国規模での建物売買及び賃貸の動向等

地域要因

地域レベルでの資材価格や工賃単価の動向。該当地域で連たんしている建物及び権利形態の特徴等、対象建物に関わる地域内での市場需給動向、対象地域内の法的規制(建蔽率、容積率、道路斜線、隣地斜線等)

個別的要因(建物)

対象建物の種別(建築年、面積、階数、構造、資材、設備、部屋の構成、配置及び規模等)、劣化状況、遵法性

複合不動産の場合は敷地との適合の状態(使用状況が適切か否か等)

建物の鑑定評価において個別的要因が重要である理由

まず土地の個別的要因の例を下記に挙げます。

個別的要因(土地)

画地形状(間口狭小、奥行長大、不整形等)、接面道路(位置関係、幅員等)、ライフラインの整備状況(上下水道、電気、ガス)、埋蔵文化財や地下埋設物の有無

土地と建物の個別的要因の違い

土地の特徴としては、比較的分かり易いことが挙げられます。画地形状や道路に関しては現地に行ったり、地図等や市役所等にて確認したりすれば、専門知識が深くなくても判別は可能です。

それに対して建物の種別、特に構造から資材、設備に関しては図面や見積書を読み解かなければ精緻に分かりません。また劣化状況の現地調査に関しても、土地に比べて建物の損傷程度は分かりにくく、且つ表面的に見える損傷が内部にてどのように変化しているか、そしてそれらが価格形成要因として、どのような影響を与えているかは専門知識が問われる箇所です。

すなわち、個別的要因だけフォーカスを当てるならば土地は掴みやすい一方で、建物は判別しにくく難易度が高いと言えます。

現実の鑑定評価(傾向)

不動産鑑定は更地の評価もありますが、複合不動産(建物及びその敷地)の依頼も多いです。それに対して上記の理由から、建物の評価に関しては個別的要因を正確に抽出できず、標準的な判定に留まっている傾向があります。したがって、建物の鑑定評価を正確にするためには、個別的要因が重要となってきます。

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