「不動産鑑定士・家屋評価経験者」目線による損害鑑定のポイント

新価及び時価の違いが損害鑑定に及ぼす影響

損害保険の保険金査定の場合、保険の種類によって新価及び時価に分かれます。昨今の保険の場合、新価での契約が多いと思料しますが、これら2つの違いによって鑑定上、どのような影響があるかですが、仕上材及び設備における経年劣化査定の困難性があると考えます。

通常、経年劣化を一律で考える際の劣化率は構造躯体(木造・鉄骨造・RC造等)に合わせていることがほとんどです。そのため一部被災が起き仕上や設備を時価鑑定するとなった場合、不動産鑑定士の目線で考えるならば、精緻に各部材の耐用年数を計る必要があります。

仕上といっても表面材から下地材まであり、設備も多岐に亘ります。それらを細かに一つ一つ確認して耐用年数を導きだすことは難易度が高い作業と考えます。

修繕見積書をベースにした損害査定の精度

損害鑑定の場合、修繕見積書を修理業者からいただき、そこから鑑定に移ることが多いです。しかし修繕見積における単価は業者によってバラつきがあり、公平の観点からは判断が難しいと思料しております。

実際に当事務所代表の経験から類似資材において業者間の単価のバラつきは確認しており、固定資産関係の裁判(不動産取得税賦課決定処分取消、審査決定取消請求控訴事件(平成14年(行コ)第276号))においても、標準的な単価と業者単価に相違がある点は述べられています。

他方で、支払保険金が保険契約(新築時が多いと考えております。)の評価額を基としている点に着目すると、当時の評価した見積単価と同目線にて修繕見積がなされている場合、保険金の査定としては公平になります。

但し、新築と修繕の施工業者が同じであることは少ないと思料され、担当鑑定人としては何かしらの方法にて修繕の見積単価が概ね標準レベルであることを確認する必要はあると考えます。

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