固定資産評価の家屋評価は、原則として新築時に1棟評価を行います。その後は在来家屋として経年減点補正率(毎年の自然劣化等による減価)と物価の増減率を乗じることで課税しております。
そのため新築時の評価が重要となりますが、残念ながら当該時点での評価ミスも発生しているのが現実にございます。
そこで評価ミスが起きやすい(起きている可能性がある)建物とその理由を以下にピックアップいたしました。
建築年が古い大規模建物

現在はほとんどの自治体で評価ソフトを使用しており、業務の効率化を図っていることが大半ですが、昭和時代や平成初期ごろまでは評価ソフトが普及していない時期でありました。
また図面や見積書も手書きであるものが多く、解読の難易度が高い傾向にあり、ケアレスミスが発生している可能性はございます。
しかし、年数も長期間経過しているため現存資料が不十分であり、且つ当時の評価基準を補足する資料(実務書等)も現在に比べ少ないことから、評価誤りを立証することも難しくなっております。
テナントが入居している建物
固定資産評価(家屋)の場合、あくまで所有権を有する部分だけが家屋評価対象となります。そのため、店舗ビルのようにテナントが入っている場合、当該テナントが用意する部分(内装や設備等)は家屋評価から除外することになります。
その際に、自治体側にてテナント負担部分を資料やヒアリング等から確認しますが、適切に分けることができずに家屋と償却資産の重複等のミスに繋がりやすくなっています。
特定の業務に対応した建物
家屋は、当該建物の効用を上げるための設備等を成立要件の一つとしてございます。その際、汎用性のある設備等が当該要件に該当するため、例えば冷凍倉庫やデータセンター等の専用空調機器、旅館等の専用ボイラーは家屋要件から外れることとなります。
上記のような専用設備を家屋評価から外し、償却資産の申告対象にリスト化する訳ですが、家屋評価の自治体と償却資産申告の会社経理担当が協議をする訳ではないため、重複や課税漏れが発生し易くなっています。
図面改訂、見積の追加及び修正等が多い建物

大規模な建物であればある程、施主との打ち合わせを通じて図面が改訂されることが多いです。また見積書に関しても、当初のものから追加及び修正されることも少なくありません。
他方で、自治体側はあくまで所有者から提示された図面や見積書をベースとして家屋評価します。そのため、それらに途中段階の資料が介在していたり、一部追加の見積書等が抜けていたりした場合においても、自治体の評価担当としては評価に必要な資料が抜けていると気づきにくいため、ミスが起こる原因となっています。