火災の場合は消防署、その他の地震等の場合は市役所にて罹災証明書が発行されますが、実際の保険金請求時にも当該証明書は必要となる場合があると思料しております。その罹災証明書ですが市の職員にて現地確認を行い、損壊割合(全壊~一部損壊)に基づき、判定しております。
当事務所代表におかれましても、市役所時代には火災による全壊や台風による一部損壊等の確認及び、台風等の罹災証明書は発行手続きしておりました。
それでは、保険会社にて用いる損害鑑定と固定資産税の調査及び評価で何が異なるかについてですが、大きくは下記のとおりです。
| 保険会社(保険金査定) | 固定資産税(減免判定) | |
| 評価者 | 損害鑑定人or保険会社 | 市職員(資産税部署) |
| 評価方法 | 損害額 | 損壊割合 |
| 根拠法 | 保険法 | 地方税法 |
| 損害評価上の基盤(分母) | 新価or時価 | 時価 |
| 実務上の判断指標 | 各保険会社のプラン内容 | 各自治体の事務取扱要領 |
評価者目線にて、着目すべきポイントを中心に補足いたします。まず評価者ですが、市職員は原則として家屋担当者が行います。当事務所代表が属していた市役所では火災情報がメールで届くようになっており、当該メールに基づき詳細な被災情報を確認できた場合は担当チームが迅速に現地に伺うようにしていました。
評価方法は、実額を算出するか割合を求めるかで大きな違いがあります。理論的には示す損害範囲はほぼ同じになるはずですが、固定資産評価の場合、評点付設の際に標準的な単価に置き換えされている点、増減補正には上限を設けているケースがある点、また各部材の価格が占める割合も標準モデルから導いていることもあり、実態と乖離が発生している部分が複数ございます。
そのため、双方(保険金査定と減免判定)にて認識する損害範囲は同じであったとしても、固定資産税の減免判定を数字で損害実額を表現できた場合、厳密には保険金査定の損害額とは相違が発生することを表しています。
判断指標に関しては、保険金はプラン内容に依る部分が大きく、どこまでが支払い範囲かの最終的な判断は保険会社に委ねられています。他方で、固定資産税の減免判定では損耗の状況による減点補正率が設けられています。
固定資産評価基準上では、通常の経年劣化の状況まで修復させると仮定した場合の修復費用を基礎とする旨は記載されています。これは時価判定することを意味していますが、計算上は新価として損耗減点を修復費用相当分として計算した後に、経年減点補正率を乗じて時価相当分を算出する仕組みになっています。
当事務所代表の経験上、修繕見積を確認し数値上から被害割合を算定している自治体は少数と思料いたします。同代表が自治体コンサルしていた経験から現時点まで把握している範囲においては、損害状況から損壊割合を直接判定している自治体が多いです。