建設費と評価額(家屋)との関係
多くの納税者の方が気になっていると存じます。まず単刀直入に言いますと、ある程度の傾向(建設費の何割が評価額)は見いだせるものの、厳密な相関関係は存在しないです。
なぜなら、家屋評価は1棟ごとに規定の評価基準にて緻密に計算しているからであり、建設費の各工事項目は活用するものの、建設費自体をそのまま転用している訳ではないからです。
それでは次に、家屋評価について下記に簡潔に述べます。
固定資産評価基準(家屋)について
地方税として固定資産税(土地家屋は都市計画税も含む)を市町村は賦課していますが、それらの評価する際に固定資産評価基準がございます。
同基準の家屋については、用途ごとに基準表があり、更に工事ごとに細かな項目とそれに対応する標準評点数と補正項目が設けられています。
その標準評点数ですが、完全な独自基準に設定している訳ではありません。実際は、東京都特別区の基準年度から2年前の工事原価相当額を基礎としています。
基準年度とは、固定資産税・都市計画税の家屋(土地も同様)は3年に1回、評価の大きな見直しを行うため、その3年ごとの年度を指します。
直近では令和6年度(基準年度)に見直しがされているため、令和8年度の評価額は令和6年度基準が用いられています。
したがって令和8年度は、令和4年度の東京都特別区の工事原価が標準評点数の目安となっています。
目安と記載したのは、3年ごとに全てをゼロから見直ししている訳ではないからです。
基本的には3年前の標準評点数をベースにして、直近3年間の物価増減率を管轄機関である総務省の担当部署にて、外部専門家を交えながら分析検討して決定しています。
その際に近年の建築施工実態に沿わせるように評点項目の統廃合や補正項目の変更等も検討され、実際に3年ごとに幾つかの評点や補正項目も変更されています。
建設費との関係
それでは、肝心の建設費との関係です。冒頭で述べましたとおり、厳密なことは1棟ごとに分析しなければ分かりません。その前提で私見を記載します。
当事務所代表の経験則としては、中央値で概ね建設費の60%前後が新築時の評価額となると考えています。
ここで大きな留意点です。この60%前後には償却資産申告項目に対応する建設費も含めています。すなわち、事業用資産については家屋と償却資産を合わせた評価額と捉えてください。
次に細かな補足です。建設費は消費税抜きで外構等の建物以外の工事や現場及び一般管理費は含めて考えています。
また評価額について新築時点です。固定資産税・都市計画税は新築翌年度から課税されるのですが、毎年の経年劣化等の減点率が適用され、且つ基準年度では物価増減率も加味されます。
そのため、所有者様が新築翌年度に初めて届く課税明細書の評価額は、新築時点より少し下がっている可能性がございます。
したがって、新築翌年度の課税明細書で確認する場合は、建設費の50%後半~60%前半(非住宅系用途)が中央値と考えます。
住宅系の建物に関しては、新築翌年度に経年劣化の減点率が0.8(8割まで評価を落とします)と他の用途に比べて大きいです。
そのため、住宅系の建物に関しては、新築翌年度の課税明細書では、建設費の50%前後が一つの指標となります。
評価誤りと建設費割合について
当事務所代表の経験では、評価額の建設費割合と評価誤りの関連性はそこまで高い訳ではないと考えています。実際に建設費割合が低い建物においても、評価誤りが見つかるケースはあります。
逆に建設費割合が高い建物で、評価が適正であるケースもございます。そのため、当該割合はあくまで参考の一つとして留めていただいた方が賢明です。
評価の適正さを正確に確認するためには、個別に評価内訳を確認するほかございません。建設費割合に囚われることなく、評価額が気になっている場合は当事務所までお気軽に問い合わせください。