価格の三面性
鑑定評価は、3つの側面(費用性、市場性、収益性)から検証しますが、理論上3つから求められる価格は同じになることを指します。これは建物評価を行ううえでも、重要な原則となります。

“理論上”の意味
価格の三面性はあくまで理論上であり、実際の鑑定評価では、検証段階で多くの不確定要素(鑑定士だけでは100%解明できない部分)が付きまといます。建物評価の具体例では、下記のとおりです。
費用性(再調達原価)
実際の建設費が分かっていたとしても、評価時点まで単価等を修正する際の変動要因の把握
市場性(取引事例)
複数の取引事例を収集できた場合、それらの事例に個別的な特殊事情が含まれているかどうかの判断
収益性(還元利回り)
対象不動産の利回りを類似不動産から求める際、比較要因の把握及び当該格差率の判定
実務上の繋がり
上記のように“理論上”と実態とで乖離が発生してしまうため、各試算価格(原価法、取引事例比較法、収益還元法)は多少のバラつきが生じます。したがって、最後に試算価格のなかで不確定要素がどれだけあったか、精緻に評価できたかを見つめ直し、最終的に一つの評価額を算出します。
鑑定評価書には、必ず試算価格の重みづけが記載されています。それは評価上、様々な部分で不確定要素が潜在しており、不明な部分があるためです。
鑑定士は、どの試算価格に説得力があるか確率的な観点から検討、調整をしているわけです。