建物に価値が生じる条件

まず建物の価値について述べます。通常、建物は設計及び施工業者に依頼し、費用を支払うことで建築、完成に至ります。そのため、建物の価値と言えば、建築時の支払う費用と考える人が多いと思うのですが、理論的に価値が発生するためには前提条件が必要となります。
それは建物が存する基盤(土地)があることです。建物は空中に浮くような単独で生じることはなく、基礎を固める土地があることで初めて成立するものと捉えます。
そのため、建物のみを鑑定評価する場合は、まず複合不動産(土地+建物)として捉え、その部分的なものとして建物を抽出して評価額を算出します。したがって、土地の使用権原(所有権や賃借権)も建物の価格形成には影響を与えるものになります。
建物評価を求める手法
原価法
主に費用性を着目した評価です。対象建物に関して標準的な建設費に基づき算出し、新築時から評価時点までの経年劣化等に基づく減価修正を行います。
見積や図面、現地確認を行い評価します。
取引事例比較法
主に市場性を着目した評価です。対象建物(及びその敷地)に類似性があると認められる事例と対象建物を比較し、事例価格を調整して求める手法です。
代替競争不動産の事例が入手できる場合に適用します。
収益還元法(建物残余法)
主に収益性を着目した評価です。事業用もしくは賃貸に供されている建物であれば、売上、賃料に基づいた純収益を利回りで還元することで求めます。また自用の建物であったとしても、賃貸を想定できる場合は仮の賃料に基づき算出することができます。
※建物残余法…建物のみを評価対象とする場合に用いる手法。複合不動産(建物及びその敷地)にて収益を求めた後に、土地に帰属する収益を控除した残額を建物利回りにて還元することで求めます。
“主に”の意味
上記3手法は全て“主に”が付いています。これは、それぞれの手法は一つの属性だけ考慮されているわけではないことを示しています。
つまり、例えば原価法であれば費用性をメインにしているものの、市場性や収益性も考慮しています。他の2手法(取引事例比較法、収益還元法)についても同様です。